愛する我が子が“うつ”になってしまったら、親としては悲しいですよね。
ストレスの多い現代社会を生き抜いているのは子どもも同じ。なので、うつや不安を抱える子どもが少なくない時代になったと言われています。
しかし実は、“うつ”や”不安”を抱えやすい子は、“家庭環境”が影響しているということが最新の研究でわかりました。
そこで今回は、日本医科大学が全国から無作為に抽出した12歳から18歳、9,491名の子どもを対象に行った調査をもとに実施した分析結果から、子どもがうつになりやすい家庭の意外な特徴を3つご紹介しましょう。
■1:世帯収入が低い
収入層を“最も高い”から“最も低い”まで、五段階で分けて、“世帯所得と子どもの抑うつ・不安の関連”を調査してみると、世帯所得が中位の世帯を「1」とした場合に、世帯所得が五段階中一番低い「最も低い」に分類された世帯では、抑うつ・不安を抱えている子どもの割合が1.61倍も高いという結果が出ました。
また、同調査によれば、欧米では親の社会経済状況が悪いほど、その子どもが抑うつ・不安状態に陥るリスクが高くなることが多数報告されており、今回のリサーチは日本でもその傾向がある実情を示唆しています。
収入が低い層の子どものストレス源は、「家族との人間関係」や「家族以外との人間関係」、「家庭の経済状況」などが上位になっているそうです。
■2:世帯収入が高い
また、同調査によれば、子どもが不安感を抱きやすい家庭のもうひとつの収入特徴として、世帯所得が五段階中一番高い「最も高い」に分類された高収入層世帯も該当しました。
こちらは、中位世帯「1」に比較して1.3倍の子どもが抑うつや不安を抱えていることが発覚しました。
この場合のストレスの原因としては、「学業」が挙げられており、収入があるがゆえに「高度な教育を受けさせたい」という親の希望が、子どもにとって強いストレスになっている可能性があるということを示しています。
■3:ひとり親家庭
また、次に世帯構造の特徴で見てみると、「ひとり親世帯」の子どもには抑うつ・不安を有する子どもの割合が高いとわかりました。
具体的には、「両親がいる世帯」を「1」として、「ひとり親世帯」は、抑うつ・不安を有する割合が1.4倍も高いことが明らかになっています。
ひとり親でも一生懸命に子育てをしている親が多いはずです。けれども、子どもなりになんらかのストレスを抱えてしまい、実態として不安やうつを発症しているケースも多いのかもしれません。
■いじめられている子も将来のうつ発症リスクが高い
子どもが抑うつ感情や不安を抱えてしまうには、家庭環境が要因の一つであるとお伝えしましたが、思春期にいじめを受けた被害者は20歳前後でうつ病になる人が少なくないという実態もあるのです。
『WooRis』の過去記事「“いじめ”が将来のうつ病を引き起こす!? 早期発見方法と親がすべき事5つ」では、いじめとうつ病の関係性についてお伝えしています。
今はうつを発症していなくても、将来的に心を病んでしまうリスクが高まるのです。お子さんが“いじめ”に遭っていないかを注意深く観察することも、子どもの未来に対する親の責任の一つと言っていいかもしれません。
いかがでしょうか?
日本でも、家庭環境によって子どもがうつになりやすい傾向が出てきたとは、驚きですよね。お子さんがうつや不安感を抱いてしまっているようならば、早めに専門医を受診してください。