今、うつ病の患者が増えています。

うつ病の患者数は近年、増加しています。
世界精神保健調査日本調査(WMHJ)によると、わが国ではうつ病の生涯有病率は6.3%(およそ16人に1人)と報告されています。それほど、うつ病は一般的な病気です。

その背景には、社会全体にうつ病に関する知識が広まり、「自分はうつ病では?」と疑って受診する人が増えていることがあります。そのため、これまでであればうつ病と気づかずに苦しんでいた人が、適切な治療を受けられる環境が整いつつあるともいえるでしょう。

誰もがかかる可能性のある病気なのです。

うつ病はよく、まじめで、几帳面な人がかかりやすいといわれます。たしかに、このような性格の人には、うつ病を発症しやすい傾向があるようです。しかし、うつ病には様々なタイプがあり、必ずしも性格だけが原因で発症する訳ではありません。
なかにはうつ病を発症する原因を、「こころが弱いからだ」「周囲に甘えているのでは」などと捉える人もいるようですが、決してその ようなことはありません。このような誤解は患者さんを苦しめるだけでなく、患者さんから適切な治療を受ける機会をも奪ってしまう危険性があります。
うつ病は、「誰もがかかる可能性のある病気」です。だからこそ、すべての人がうつ病に対する知識を深め、正しく理解する必要があるといえるでしょう。

うつ病人口の割合

2007年版「障害者白書」によると、精神障害を持つ人は約303万人で、そのうちうつ病などに該当する人は100万人を超えることが報告さ れています。友人や会社の同僚など、あなたの周囲にひそかにうつ病で苦しむ人がいてもおかしくありません。また、あなた自身が将来うつ病にかかっても不思議ではない数字なのです。

 

出典:うつ病〜こころとからだ