家族療法

家族療法では、家族は相互に影響を与えあっている人間で構成されている1つのまとまりと考えます。
家族システムが機能不全に陥っている状態では、その影響を最も受けた家族メンバーが家族全体の病理を反映し、症状や不適応行動を示すと考えます。その例として、夫婦仲が悪く荒れている家庭の子どもが、非行に走ってしまうなどが挙げられます。
家族療法では、表面に現れた結果が特定の原因から生じるという考え方はしません。原因と結果は、相互に影響を与え合うという円環的因果律で問題をとらえます。そして、家族の円環的パターンや相互作用といった関係性そのものをとりあげます。
家族療法では、不適応行動や症状を現す個人をIP (Idenified Patient)とよびます。IPとは「患者と見なされる人」という意味です。よって、個人の治療や人格変容に目標をおきません。家族の相互作用をみなが ら、家族のなかにある問題解決能力を探し出しだすことが目標となります。その結果、家族としての回復を目指し、IPの問題が消失するように働きかけるので す

 

出典:臨床心理学用語の樹形図


一口に家族療法カウンセリングといっても、その手法や流派はさまざまです。

なぜ「家族も参加」のカウンセリングでなくてはならないのか。それはやはり家族が一番身近で大きな影響力を持つからです。しかし「家族は生き物」ゆえに複雑で、理想論だけではなかなかうまくいきません。

  • 現在かかえる家族の問題や症状から抜け出すために、家族はどのように援助すればよいだろうか。
  • 家族の援助が効果をあげることができる家族関係になるには、どう変化していけばいいだろうか。

これらが家族療法カウンセリングの一番の基本です。家族にアドバイスを出すことによって、これらの基本が大きく機能し問題解決を可能なものにしてい きます。本人の治療に関係なければ夫婦がもめていてもかまいません。また必ずしも親子が仲良く全員一致していないといけないとも考えません。このように淀 屋橋心理療法センターの家族に対する考え方は、いつも現在を中心に現実に起こっている出来事を重要視しています。

 

出典;淀屋橋心理療法センター