若手社員を中心に、従来のうつ病のカテゴリーに属さないタイプの非定型うつ病が増えてきており、企業の人事・労務担当者を悩ませています。このなかに、単なるわがままなのか病気なのかの区別が難しいタイプがあり、巷では「新型うつ」と呼ばれています。具体的には、
・会社の仕事は思うに任せないのにプライベートでは元気
・自責感に乏しく、他罰的(不調を仕事のせいだと主張する等)で、何かと会社や上司とトラブルを起こす
などが典型例で、本人は体調不良を訴えますが、上司や同僚から見れば「仮病ではないか?」と疑いたくなるようなケースです。
出典:月刊「企業実務」 2013年9月号
「新型うつ」は正式な病名ではなく、症状によって「非定型うつ」「双極性障害II型」「適応障害」「不安障害」などさまざまに診断され、医師によって診断 結果が異なる。従来型うつは「大うつ病(重いうつ病)」と区別されているが、それ以外は医師の間でも見解が一致していない。
出典:WEB週刊文春
治療法においても、非定型うつ病はこれまでのうつ病の治療法とは異なるところがあります。基本的には薬物療法や認知行動療法な どの精神療法を中心に行われますが、特に非定型においては生活療法がより重要になってきます。患者の生活習慣の見直しや、生活改善が必要になります。病気 のために、どうしても昼間と夜の生活が逆転しがちになり、生活の乱れが心に影響を与え、病気を悪化させるという悪循環になります。家族も病気について正し く理解し、患者と一緒になって、生活面の改善をすることが病気回復のうえで重要なポイントです。
出典:姫路心療内科