うつ病のサインとして注意すべき症状として、まずは「強いゆううつ感」が挙げられます。これを医学的に「抑うつ症状」といいます。
「むなしい」「気がめいる」といった感情は誰もが経験しますが、このような気持ちはたいてい原因となる出来事があります。
そのため、その出来事が消え去ったり、解決する方法が見つかったりすると症状はおさまるものです。
ところがうつ病の場合は、自分では原因がわからなくても1週間、2週間と抑うつ症状が続くケースで、患者さんはとても苦しい思いをします。気分の落ちこみ とともに意欲も低下し、「外出がおっくうだ」「家事ができない」「身だしなみを整えるのが面倒」などと感じるようになります。
一方、うつ病では上記のような抑うつ症状のほかに、体調に変化が出ることもあります。例えば「なかなか寝つけない」「早朝に目が覚 めてしまう」といった睡眠障害、食欲不振、からだの痛みやしびれ、頭痛、吐き気、のどの渇き、女性では月経異常など、様々な症状を訴える人がいます。
こうした症状を医学的に「身体症状」と呼びます。体調不良から内科を受診したものの原因がわからず、精神科や心療内科を紹介され、うつ病と診断される場合が多いようです。
もちろん、これらの症状の原因がすべてうつ病という訳ではありません。ただ、うつ病は気分の落ちこみだけでなく、思いもよらないからだの不調がサインとなることを知っておきましょう。
出典:うつ病〜こころとからだ